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投稿日:2026/05/22

南風を感じる、やさしい風合いの織物「琉球かすり」

  • 沖縄本島

沖縄南部で受け継がれてきた伝統織物

沖縄本島南部、のどかな風景が広がる南風原町(はえばるちょう)。ここは琉球王府時代から続く、伝統織物「琉球かすり」の故郷です。現在つくられている琉球かすりのほとんどが、この南風原の地で、職人たちの手によって大切に育まれています。「かすり(絣)」という名の由来は、模様がほんのり“かすれて”見えることから。糸をあらかじめ染め分けてから織り上げることで、境界線がやわらかくにじみ、手仕事ならではのあたたかみのある風合いが生まれます。

王朝時代から続く、美しい織物

琉球王朝の時代、王族や身分の高い人々を気高く彩った「琉球かすり」の最大の特徴は、およそ600種類にも及ぶ多彩な幾何学模様です。かつての王府がまとめたデザイン集「御絵図帳(みえずちょう)」をルーツとする図柄には、その一つひとつに美しさだけでなく、大切な意味や願いが込められています。

この豊かな世界観を表現するために、職人たちは伝統に現代の感性を吹き込みながら、多彩な技法を駆使しています。細い縞模様が美しい「手縞(てじま)」、横糸で柄を表現する「緯絣(よこがすり)」、そして縦糸と横糸を緻密に組み合わせる「経緯絣(たてよこがすり)」など、技法によって表情は様々です。

独自の絣模様を生み出すため、糸は計算された間隔で1カ所ずつ手括りで締め上げて染められます。そうして染め分けられた糸を、一織り一織り、丹念に織り進めていく、気が遠くなるような手間の結晶が、今も変わらぬ王朝時代の美しさを支えています。

17工程の専門職が繋ぐ、琉球かすりの品質

琉球かすりの製作は、一人の職人がすべてを担うのではなく、各工程を専門の職人が分担する「高度な分業制」によって成立しています。
そのステップは、図案作成から絣括り、染色、製織、そして最終検査まで17工程にも及びます。それぞれの分野に特化した熟練のスペシャリストが、前工程から引き継いだ素材に独自の技術を施し、次の工程へと繋いでいきます。各工程で専門性を追求するこの体制こそが、手仕事でありながら寸分の狂いもない緻密な絣合わせを可能にし、琉球かすり特有の繊細な美しさと高い品質を支え続けているのです。

お土産にもぴったりな、身近な伝統工芸品

昔は着物や帯を中心に親しまれてきた琉球かすりですが、今ではネクタイやバッグ、財布など、日常に取り入れやすいアイテムへと広がっており、大切な方への贈り物や旅の思い出にもぴったりです。また、お気に入りの柄を額縁に入れてインテリア雑貨として飾るのもおすすめです。

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