冬の沖縄、海に響くクジラの歌声
- 沖縄本島
沖縄の冬は、青い海と澄んだ空が広がる特別な季節。
11月から3月にかけて、北の海から南下してきたクジラたちが沖縄周辺に姿を現します。現れるのは主に「ザトウクジラ」。体長は13〜15m、体重は約30トンにもなる大型のヒゲクジラです。頭部のこぶ状の突起や、体長の3分の1ほどもある長い胸びれが大きな特徴。さらに尾びれの模様や形は1頭ずつ異なり、人間の指紋のように世界で唯一無二の個性を持っています。このため、尾びれの写真を使った個体識別が世界各地で行われています。
ザトウクジラは「歌うクジラ」としても知られ、繁殖期の海ではオスが美しいソングを響かせます。その役割は完全には解明されていませんが、メスへの求愛やオス同士のけん制など、繁殖行動に関わっていると考えられています。
彼らは出産や子育てのために温暖な海を訪れ、豪快なジャンプや尾びれを打ち付ける迫力ある姿を見せてくれます。特に慶良間諸島、座間味、名護など沖縄本島西海岸沖では、親子クジラや時にはカップルのクジラに出会えることもあります。
夏のイメージが強い沖縄ですが、冬ならではの静けさとダイナミックな大自然を体感できるのはこの季節ならではの魅力です。平均気温は15〜20度前後と穏やかで、コートなしでも過ごせる心地よさも嬉しいポイント。観光地も比較的ゆったりと楽しめるため、自然と向き合う旅に最適です。
青い海と澄み切った空、そして悠々と泳ぐクジラたちとの出会いは、沖縄の冬ならではの贅沢な時間。心地よい風が吹くこの季節、雄大なクジラの歌声に耳を傾けながら、自然の鼓動を感じてみませんか。


