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投稿日:2025/11/01

沖縄の島々で出会える小さな魚が抱える大きな危機

  • 沖縄本島
写真:前田健(OIST) 写真:前田健(OIST)

沖縄の美しい海や川には、ここでしか見られない固有種の生き物が数多く暮らしています。そのひとつが、川と海を行き来する移動する小さな魚「ミナミヒメミミズハゼ」です。見た目は地味ですが、琉球諸島固有のにしかいない貴重な魚です。、島ごとに違う遺伝子の特徴を持っています。
2025年の沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究によると、この魚は隣の島へ移動することがほとんどなく、わずか23キロしか離れていない石垣島と西表島の間でも遺伝的な交流が見られないことが分かりました。つまり、それぞれの島で暮らす個体群は独立していて、環境が壊れてしまえば、その島の個体群ごと失われてしまう危険があるのです。
実際に、久米島の浦地川では、成魚が確認されたのはわずか10平方メートルほどの範囲。周囲は都市開発や農地利用で圧迫され、非常に脆弱な環境になっています。
沖縄の島々は観光で訪れる私たちにとって楽園ですが、そこで生きる生き物たちは、限られた小さな川や森に頼って暮らしています。ミナミヒメミミズハゼの研究は、自然環境を守ることがいかに大切かを改めて教えてくれます。

観光の合間に川辺を散策するとき、そこには小さな命の物語があることを思い出してみてください。沖縄の豊かな自然を未来へ残すために、一人ひとりの心がけが大切です。

資料提供 沖縄科学技術大学院大学(OIST)
https://www.oist.jp/ja

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