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投稿日:2024/07/31

エイサーについて

  • 沖縄本島

夏の風物詩、沖縄の伝統芸能エイサー

エイサーは沖縄の伝統的な盆踊りで、各地域の青年会が独自のスタイルで旧盆の夜に地域を練り歩く行事です。特に先祖を供養するための「道ジュネー」と呼ばれる行事で、旧盆の初日に先祖の霊を迎え(ウンケー)、最終日の夜に太鼓を打ちながら踊り、お供え物をする「ウークイ」で先祖を送ります。本来はウークイの夜に行われていましたが、現在では旧盆中の昼夜を問わず行われることが多いです。
エイサーには「太鼓エイサー」や「手踊りエイサー」などの形態があります。特に沖縄県中部では太鼓エイサーが盛んで、旧与那城町や旧勝連町では「パーランクー」という片張りの太鼓を用いたスタイルが見られます。また、手踊りのみで踊る「手踊りエイサー」はエイサーの最も古い形態と考えられています。最近では、ポップス音楽を使用する創作太鼓グループも増え、新しいスタイルが登場しています。

エイサーの起源には、浄土宗の「袋中上人」が伝えた念仏踊りが発展したという説や、500年以上前の「李朝実録」に記された那覇の記録が始まりだという説などがあります。「エイサー」という名称の由来についても、琉球の古い歌謡集「おもろさうし」の「さおもろ」からきているという説や、演舞中の掛け声からきているという説があり、どちらも確証はありません。

エイサーシーズンは6月から9月で、各地域の青年会が旧盆のために練習を重ねます。沖縄最大の夏祭り「沖縄全島エイサーまつり」では、各地域のエイサーが披露され、多くの観客を魅了します。エイサーの太鼓の音や勇壮な踊りが見る者の心を打ち、その感動は「チムドンドン」と表現されます。各青年会が地域の伝統を誇りに持ち、魂を込めて踊る姿こそがエイサーの魅力です。

沖縄市のエイサーの基本隊列

大太鼓 三線の音をしっかりとらえる者が担う、エイサーの音頭取り的役割。演技中は全体の音がずれないように常にリードし、一打たりとも気が抜けない重要なポジションだ。重量のある大太鼓を持つ体の大きさと体力も要求される。大太鼓を抱えて動きが制限されながらもダイナミックな演技をする。大太鼓の重鎮な響きがエイサーの壮大さを醸し出す。
締太鼓 締太鼓は演舞の華といえる。全体が一糸乱れぬ動きで体を動かし、その大胆さと細やかな演技のそろい具合の圧巻さは見る者を引きつける。
イキガモーイ(男手踊り) エイサーの踊りの基本。男性はまずは手踊りからはじめ、リズムや動きをつかめないと太鼓を持たせてもらえない。足の踏み方などで上達具合が分かるという。青年会によっては空手の型を取り入れているところもある。
イナグモーイ(女手踊り) 女踊りは主に絣の着物をまとい、タスキがけをし、足元は島ぞうりで、団体によっては豆しぼりやサージ(手ぬぐい)を頭に巻く。力強い男踊りに対して、しなやかな踊りの中に手先の緩やかな動きで踊りに華を添える。
旗頭 隊列の先頭に立ち、青年会の顔ともいえる。かなりの重量のある旗を曲のリズムに合わせてテンポ良く上下にふる。道ジュネーの最中に他の青年会と鉢合わせになると、ガーエー(エイサーオーラセー)が始まることがあるが、その際には相手の旗頭と競うようにアップテンポで旗をなびかせる。各青年会ごとに旗が違うのでそれも見所の1つ。
サナジャー (本来の意味とは違うが「チョンダラー」と呼ばれる事もある) 観客を盛り上げる等、道化的な役割をしつつ、エイサーの隊列を整えたりする。エイサーのキャリアを積んだベテランがこの役目を務めることが多い。旧盆の道ジュネーでは、道先案内役として、周囲と調和をとる。奇抜で工夫されたメイクや滑稽な踊りは一見の価値ありである。

豆知識

字(あざ) 一般的には町村内の区画のことを指すが、沖縄では集落(または通称「部落」)または区と同義語。今日でも伝統行事は集落ごとに行われ、字は生活上の重要な単位となっている。とりわけエイサーは、各字の旧盆行事には不可欠な要素として定着しており、地域の伝統行事においてこれほど重要な役割を担っていることは、沖縄の特色のひとつといえる。
地方・地謡(じかた、じゅうてい) 唄い手のこと。エイサーに絶対不可欠な存在である。各団体に必ず数人の地方がおり、三線(さんしん)を弾き鳴らしながら、民謡やエイサー節を唄い上げ、踊り手のテンポをリードする重要な役割をもつ。青年会の踊り手の中には大太鼓よりも地方に憧れる若者も少なくない。
道ジュネー(みちじゅねー) ここで言われる道ジュネーとは、各字(地域)の通りをエイサーを踊りながら練り歩く事である。本土の盆踊りと同じように盆(沖縄では旧盆)の日の夜に、村の青年たちが各戸を踊り回る伝統行事の事を指す。現在ではこの道ジュネーの際に各戸から寄付金が寄せられ青年会活動の大事な資金源となっている。

沖縄の夏の風物詩として日本を代表する「まつり」、今年も開催されます!!

▼沖縄市市制施行50周年記念 第69回沖縄全島エイサーまつり 
 詳しくはこちらから

資料提供:沖縄全島エイサーまつり実行委員会

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