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投稿日:2023/09/06

島尻のパーントゥ

  • 宮古島
島尻のパーントゥ 島尻のパーントゥ

泥を塗られて厄払い!宮古島の奇祭「パーントゥ」

年に一度、宮古島で行われる厄払いの伝統行事「パーントゥ」。北部の島尻地区では「パーントゥプナハ」、南部の上野野原地区では「サティパロウ」と呼ばれ、形式は異なりますが、いずれのパーントゥも1993年に重要無形民族文化財に指定されました。
今から100年以上前、島尻集落にクバの葉に包まれた仮面が漂着し、その仮面をかぶった若者が泥を塗って神様になった…という神話が起源とされています。
お化けや妖怪、鬼神を意味するパーントゥ。「パーン(食ベる)」と「ピトゥ(人)」という単語が訛って生まれた言葉とされています。

島尻地区では、旧暦3月末から4月頭、5月末から6月頭、9月吉日(正確な開催時期は直前まで発表されません)の年に3回「サトゥプナハ(里願い)」と呼ばれる祭祀が開催されますが、その3回目には、集落に伝わる木製の仮面をつけ、神聖な井戸の底の泥を全身にまとい、シイノキカズラの蔓草を巻きつけた来訪神パーントゥが現れます。親(ウヤ)、中(ナカ)、子(フファ)。3体のパーントゥは、毎年島尻地区の青年から選ばれます。
当日になると、まず3体のパーントゥは普段仮面が祀られている元島(旧村)の拝所を訪れ、地域の先輩に挨拶をし、祝い酒を飲み交わします。その後は奇声を発しながら集落をまわり、道中にいる人々を追いかけまわして泥を塗りつけます。厄払いの神とされているパーントゥ。小さな子どもたちは悲鳴をあげて逃げまわりますが、泥を塗られた人は1年間の無病息災を得られるとされています。無病息災の他にも悪霊を追い祓う役割もあるため、人のみならず、車や新築の家にも泥を塗りつけますが、地元の人々は汚されて怒るのではなく、むしろ「ありがたい」と感謝して受けとります。

島尻地区の選ばれた青年3人が仮面を付ける 島尻地区の選ばれた青年3人が仮面を付ける
次々と泥を塗りながら追いかけるパーントゥ 次々と泥を塗りながら追いかけるパーントゥ

観光客も参加することはできますが、中にはこの伝統行事の意味を知らない人もいて「服が汚れた」「カメラを泥だらけにされた」などとクレームをつけるケースも最近はあるようです。観光で行く際は、パーントゥが宮古島に伝わる大事な行事であることを理解した上で参加するようにしましょう。泥のニオイは2、3日取れないのでご注意を。泥を塗られたくない物や貴重品は自衛し、汚れても良い服装でお出かけください。

ライター/舘 幸子
写真提供/一般社団法人宮古島観光協会
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